正義についての講義

「ハーバード白熱教室　in　東京大学」という番組がＮＨＫで放送していた。
やはりＮＨＫは優秀な放送局の一つである。あくまでテレビを放送するというだけの観点から考えたものだが。
この番組は、ハーバード大学のサンデル教授が行う人気講義の一つである、「正義」についての講義を東京大学の安田講堂で開催された模様を放送したものだ。
倫理的な目線。道徳的な観点。ナショナリズム展開する学生もいれば、功利主義を主張する学生、罪の引き継ぎはあるのか、愛国心と正義感との両立、などなど…
そのようなテーマに、実際に起きた事件や仮想の状況などを用意し、「君ならどうする？」「それについての反対意見を展開出来る人は？」といった風に、対話式で話をどんどん促していき、異なる意見が出ると要約して双方に伝え合い、話をまとめたり、時に反対意見同士を直接論じ合わせたり…
講義の最後にはしっかりと全てのディスカッションの内容を整理し、答えは出ずともその過程で話し合い、意見を出し合えた事こそ価値のあるものだと全ての発言者の内容一つ一つに意味のあるモノとして評価した。
非常に濃密で有意義なディスカッションで、サンデル教授が非常に優秀な「人」であることがよくわかった。
けっして一つの立場に収まらず、講義をしている側でありながら、あくまで聞き手として徹し、全く違った意見をパズルのピースを見つけ出すかのように探し当て、がっちりと繋ぎ合わせ同じテーマを完成させる為にディスカッションさせる。実に素晴らしい人物である。

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タグ：東京大学 サンデル教授 ハーバード大学 ディスカッション