Stand by Me [映画]

はじめまして。
ここでは、大衆性や利便性にとんだモノ、商業的なモノから芸術的なモノまで、色々なモノを取り扱っております。
是非、ゆっくりしていってください。

タイトルの『Stand by Me』という、ロブ・ライナー監督の作品。
僕がこの作品を観たのは、当時、まだ金曜ロードショーが水曜日に放送していた頃(※その時は、番組名も水曜ロードショーである)。

12才の夏、
誰も大人になんかなりたくなかった・・・・・・。
 
当時、小学生だった僕も、同じようにそう思っていた。
いじめを黙認し、生徒からはいたずらをされ、連帯責任という、謎の解決法を強要させられ、個々を見ず、集団でひとまとめにし、その中の暗闇の部分を見ず、見える所だけで判断する。
子供にとっての大人なんてものは大抵、教師とか親とか親戚とか・・・だいたいそれぐらいの人たちである。
今、思えば、教師なんて職種の人間は『最も辛い+報われない職種』ランキングなるものがあれば、かなり上位に入っているだろうと思うのだが、そのような人間と生活の半分以上を共有している以上、世界は永遠に報われない気がする。一概には言えないが・・・

こんな時期に、この作品に巡り合えた事は、僕の人生でベスト10に入る程の嬉しい事の一つである。
主演の四人の本当に楽しそうな顔、本当に悲しそうな顔、本当に嬉しそうな顔、本当にどういう顔をすればいいかわからない顔、とにかく表情を始め、しぐさや言葉使いなどが、演技と思えないほど自然なのだ。
友達と秘密基地でトランプをしたり、チンピラにからまれたり、歩いて遠くに行き、泥沼ではしゃいだり、火を囲い、くだらない話をしたり、ご飯を一緒に食べたり。
本当に子供にとっては普通な事なのだが、大人になると自然に出来ない事ばかりなのである。
テディ役のCorey Feldmanがあとに、『生の思春期が撮られている』と言っていたが、まさにその通りで、実に的を得た発言だと思った。
ドキュメンタリーだと言われてもおかしくないぐらいの現実味が、そこにはあったのだ。
やはりこの事に関して、監督のRob Reiner の功績は素晴らしいものがある。
キャスティングでは、役柄に合った境遇の子供たちを起用し、作った感情ではなく、本物の感情を引き出す方法を助言し、見事に映像に納めている。主演の俳優達に、撮影前にロケ地で合宿をさせ、本当に仲良くさせるような計らいも、実際に子供達の目線に立ち、真剣に話をする姿勢も、すべてが映画に効果を与えている。
Rob Reinerのような人が、一つの学校に一人いて欲しいと切に願う限りである。
そうすれば、世界も少しは明るくなるのではないだろうか。

このような映画が、最近のロードショーなどでは放送されなくなり、エンターテイメント性の高い、ハリウッド作品や、アニメなど、定期的なジブリ作品の放送など、実に悲しい事である。
放送されなくなったことではなく、放送されなくなった事に対して何も出来なかった事にである。
何か出来たかと聞かれると、おそらく何も出来なかっただろう。しかし、何も考える事が出来なかったのだ。
なぜなくなるかなどを考えるまでもなく、気がついた頃にはなくなっていたのだ。
それがとても悔しい。

I never had any movies later on like the ones I had when I was twelve.
Jesus, does anyone?

ps.TOHOシネマズ高知で「午前十時の映画祭 何度見てもすごい50本」という企画が行われている。その中で、2010/9/4~2010/9/10まで『Stanby Me』が上映される。非常に嬉しい事である。



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